水上オートバイ(すいじょうオートバイ)

船舶の一種。推進力としてウォータージェット推進システムを用い、ハンドルバーの操作と操縦者の身体バランスにより操縦するもの。1人乗り(スタンドアップタイプ)と2人・3人・4人乗り(ランナバウトタイプ)の二種類に分類される。
日本では船舶職員及び小型船舶操縦者法における特殊小型船舶を指す。別名水上バイク[1]とも呼ばれる。英語圏では一般的にパーソナルウォータークラフト(PWC)と呼ばれ、プレジャーボートに包括されている。
メーカー別では、ジェットスキー(カワサキ)、マリンジェット(ヤマハ)、シードゥー(ボンバルディア)が登録商標となっている。しかし、特に「ジェットスキー」の名称は水上オートバイ全体を指す名称として使用されることがある。[2]なお、シードゥーには、エンジンや推進システムに水上バイクと同様のものを用いるが、乗員毎に独立した(直列に跨るものでない)シートを備え、環状のステアリングにより操舵する、スポーツボート(4-10人乗り)と呼ぶものがある。このようなタイプのボートは通常「ジェットボート」と呼ばれ、水上バイクと区別される。

歴史

水上オートバイの開発は、アメリカ人マイク・ジェイコブスが「エキサイティングでニュータイプのレクリエーショナル・ウォータークラフトを商品化してほしい」と川崎重工業の子会社であるカワサキモータースコーポレーション・アメリカの販売会社に要望し、一人乗りのスタンドアップタイプが製品化されたのが始まりであるとされているが、1967年にカナダのボンバルディア社がシードゥーというランナバウトタイプの水上オートバイを発売している。

構造

エンジンによりインペラーを回転させ、船体下部の吸入口(ジェットインテーク)から水を取り入れてジェットポンプで水流を加速させるウォータージェット推進システムを持ち、他の船舶が持つスクリューのような回転体は船体外へ露出していない。
ハンドルと連動するジェットノズルの方向を変えて旋回するので、アクセルオフではハンドルを切っても旋回しないという特殊な特性をもつ。
このような特性を踏まえ、近年発売される主要機種には、危険回避のため、アクセルオフでも穏やかな旋回を確保する装置が装備されている。装置の仕組みは2つに大別され、一定の条件の下でエンジンの回転数を確保して推進力を発生させ旋回性を確保するもの(ヤマハ、カワサキ)と、船体側面後端にハンドルと連動する小さな舵を装備するもの(シードゥー)とがある。

出典:wikipedia